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Wreck



この光景と出会ったのは、新しい世紀が始まって間もない2002年も終わる頃、

伊豆大島で貨物船が座礁するというニュースが流れていた。

新世紀の開幕と同時に、海の向こうから大きな音が響き渡る。

その波動は拡散し、日本へも余韻を残していた頃。

自然の中に突然異物が入り込んでしまったこの光景は、

カタストロフィのイメージを身近に感じた。



船は解体されていく。

取り除かれる異物は徐々に消滅し、元の風景へと戻るシーンを眺めていた。

まるで『九相詩絵巻』のように、朽ちてゆく死体が自然の中に溶け込みながら、

気配を消していく様相の如く、それは再生と循環のサイクルのようにも見えてくる。

そして、重苦しく漂っていた空気を取り除きたい思いと光景が重なっていった。





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